二次方程式の解き方

二次方程式とは,ax^2\: + \:bx\: + \:c\: =\: 0 (\:a \:≠\: 0,\; a,\: b,\: c\: は定数または文字式\:) のような形式で表される式であり,二次方程式を解くとは,二次方程式を満たす x の値を求めることです。x の値は,具体的な数値で表せる場合もあれば,文字(式) \:a,\: b,\: c\: を使って表す場合もあります。

ここでは,二次方程式を解く方法を3パターン紹介します。

二次方程式の解き方
  1. 平方根を求める方法
  2. 因数分解する方法
  3. 解の公式を利用する方法

 

例題として,次の方程式を3つの方法で解いてみます。

【例題】二次方程式:x^2 \:-\: 4 \:=\: 0 を解きなさい。

【パターン1:平方根を求める方法】

方程式 x^2 \:-\: 4 \:=\: 0 は,x^2 \:=\: 4 と変形でき,平方根の項で示した通り,これを満たす x の値は,\pm2 となります。2次方程式ax^2+bx+c\:=\:0において,a=1, \:b\:が偶数の場合は,この方法で解くと素早く解ける場合が多いです。

【パターン2:因数分解する方法】

問題の方程式の左辺は,x^2\:-\:4\:=\:(x + 2)(x \:-\: 2) と因数分解できますので,元の方程式は,(x + 2)(x \:-\: 2) \:=\: 0 と表すことができます。
すると,この問題は,「(x + 2)(x\: – \:2)を掛けて 0 になるような\:x\:を求めなさい。」ということになります。
2つの数値を掛けた結果が0になるのは,どちらか一方(または両方)の値が0になる場合のみです。
したがって,この方程式が成り立つのは,x\:+\:2\:=\:0,または,x\:-\:2\:=\:0 のときだけで,
x\:=\:-2, または,x\:=\:2 すなわち,x\:=\:\pm2 となります。

【パターン3:解の公式を利用する方法】

二次方程式を解く方法として,ズバリ,「解の公式」という名前の公式があります。以下に示します。

解の公式
二次方程式: ax^2 + bx + c = 0 の解 x は,次の公式で求まります。
x = \frac{-b\:\pm\:\sqrt{b^2\:-\:4ac}}{2a}
ただし,b^2 \:-\: 4ac \:≧\: 0 である。

 

解の公式に,例題の係数( a, b, c の部分)をあてはめてみます。

x^2\:-\:4\:=\:0\; と \;ax^2 + bx + c = 0 を比較すると,
a\:=\:1,\:b\:=\:0,\:c\:=\:-4 ですので,これを解の公式にあてはめると,

x = \frac{0\:\pm\:\sqrt{0^2\:-\:4\times1\times(-4)}}{2\:\times\:1}\:=\:\pm\frac{\sqrt{4\:\times\:4}}{2}\:=\:\pm\frac{4}{2}\:=\:\pm2

となり,因数分解をしなくても解を求めることができます。
しかしながら,ご覧の通り,前述の2つの方法に比べると計算量が多くなる傾向になりますので,「平方根を求める方法」,「因数分解する方法」を試してみて,無理そうな場合に「解の公式を利用する方法」を使うことをお勧めします。

いろんな問題をこなしていけば,どの方法でやるのが最適か判るようになると思います。判断基準として,b^2\:-\:4ac\:の値が平方数かどうかです。この値が平方数なら,前記の方法,この値が平方数にならない場合は,解の公式を使うことになります。

できれば,解の公式 の導き方も理解しておきましょう。

解の公式の導き方

ax^2 + bx + c = 0 \;(a \:≠\: 0) の両辺をaで割ると,

x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = 0\;

この式の左辺をxの一次式の2乗の形に変形します。

(x + \frac{b}{2a})^2 \:-\: \frac{b^2}{4a^2} + \frac{c}{a} = 0

(x + \frac{b}{2a})^2 \:=\: \frac{b^2\: – \:4ac}{4a^2}

(x + \frac{b}{2a}) \:=\: \pm\sqrt{\frac{b^2\: – \:4ac}{4a^2}} \:=\: \pm\frac{\sqrt{b^2\:-\:4ac}}{2a}

\frac{b}{2a} を右辺に移項して,整理すると,

x \:=\: \frac{-b\:\pm\:\sqrt{b^2\:-\:4ac}}{2a}