y = ax2

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ここでは,二次関数\(\;y \:=\: ax^2\)の性質をまとめます。

\(y \:=\: ax^2\)
\(y\:と\:x\:が\:y\:=\:ax^2\:(a\:は\:0\:でない定数) の形で表されるとき,\)
\(y\:は\:x\:の2乗に比例するといい,\:x\:の値を\:n\:倍すると,\:y\:の値は \:n^2\: 倍になります。\)

 

具体的な例をいくつか見ましょう。

【正方形の面積】
1辺が\(\:x\:cm\) の正方形の面積 y \((cm^2)\)は,\(y = x^2\)となり,\(x\:と\:y\:\)の関係を表にすると,次のようになります。\(x\)が2倍,3倍,4倍になると,yは4倍,9倍, 16倍になることが確認できます。

x (cm) 1 2 3 4 5 6
y(\(cm^2)\) 1 4 9 16 25 36

 

【扇形の面積】

次に半径\(\:x\:cm\) で中心角が 60° の扇形の面積: y(\(cm^2\))の関係は,\(\:y\:=\:\frac{\pi}{6}x^2\)ですが,これを表にすると,次のようになります。ただし,円周率は 3.14 で計算し,小数点第4位で四捨五入してあります。この場合も,\(x\)が2倍,3倍,4倍になると,yは4倍,9倍, 16倍になることが確認できます。

x (cm) 1 2 3 4 5 6
y(\(cm^2)\) 0.523 2.093 4.710 8.373 13.083 18.540

 

【直方体の体積】

1辺が\(\:x\:cm\) の正方形を底面とし,高さが \(2 cm\:\) の立方体の体積 y \((cm^3)\)は,\(y = 2x^2\)となり,\(x\:と\:y\:\)の関係を表にすると,次のようになります。この場合も,\(x\)が2倍,3倍,4倍になると,yは4倍,9倍, 16倍になることが確認できます。

x (cm) 1 2 3 4 5 6
y (\(cm^3\)) 2 8 18 32 50 72

 

ここまで,辺の長さと,図形の面積,体積の関係を見てきましたが,次のいずれの式においても,x が正の範囲で値を求めました。

1辺が \(x cm\) の正方形の面積: \(y \:=\: x^2\)

半径が \(x cm\), 中心角60°の扇形の面積: \(y \:=\: \frac{\pi}{6}x^2\)

1辺が \(x cm\) の正方形を底面とする高さ \(2cm\) の直方体の体積: \( y \:=\: 2x^2\)

これらの式の x の範囲を負の値まで拡張して表を作ると,次のようになります。

【\(y \:=\: x^2\)】

x -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6
y 36 25 16 9 4 1 0 1 4 9 16 25 36

 

【\(y \:=\: \frac{\pi}{6}x^2\)】

x -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6
y 18.840 13.083 8.373 4.410 2.093 0.523 0 0.523 2.093 4.710 8.373 13.083 18.840

 

【\(y \:=\: 2x^2\)】

x -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6
y 72 50 32 18 8 2 0 2 8 18 32 50 72

 

上記,いずれの式も,y の値は x = 0 を中心に左右対称になっていることがわかります。これら3つをグラフに表すと次のようになります。

このようなグラフの形状を「放物線」といいます。グラフからも判るように,\(y \:=\: ax^2\) の a の値が小さければ緩やかなカーブ,a の値が大きければ急なカーブになります。これまでは,\(a > 0\) の場合について見てきましたが,\(a < 0\) の場合は,下のグラフのように,上下が逆の \( y \) の値が 負または 0 の放物線になります。

放物線(2次曲線)の性質について

\(y \:=\: x^2\)の表をもう少し観察してみます。簡単にするために,表の\(\:x\:\)が 1 以上の部分を抜き出し,表の下に 「y の差分」と「yの差分の差分」という欄を付け加えました。y の差分の欄は,y の値の増分(右となり の値から y の値を引いたものを格納)を設定し,y の差分の差分の欄には,y の差分の増分の値を設定しています。すると,y の差分の欄は,3, 5, 7, 9, 11 と 2ずつ増えた値が,y の差分の差分 の欄は,固定値 2 が入ります。

このように,y の差分の欄は,だんだん大きくなっていきますが,この値は 2ax で表され,放物線に接線を引いたときの,各点における接線の傾きになります。(接線の傾きは,x に比例して大きくなる。)  また,差分の差分を取ると値が等しくなりますが,その値は,\(y \:=\: ax^2\:\) においては,2a [定数] になります。これは,高校になってから,「微分」という単元で習います。

x 1 2 3 4 5 6
y = \(x^2\) 1 4 9 16 25 36
y の差分 4-1=3 9-4=5 16-9=7 25-16=9 36-25=11
y の差分の差分 5-3=2 7-5=2 9-7=2 11-9=2